半遊動仕掛けの基本
遊動仕掛けには「半遊動」と「全遊動」の2種類があります。
「全遊動」はもっぱら「スルスル釣法」とも呼ばれたりしますが、どちらも内容は基本的に一緒ですね。
それではこの「半遊動」と「全遊動」いったい何がどう違うのか?
チヌ釣りではどういったメリットやデメリットがあって、具体的にどのような点に注意すれば良いのか解説しますね。
半遊動と全遊動の違い
遊動仕掛けとは、ウキがウキ止めとサルカンの間をスルスル動き遊んでいる状態にある仕掛けの事を言います。
全遊動仕掛けとはウキ止めを使わず、どんな深いタナでも理論上はほぼ際限なく探ることができる仕掛け。
全遊動は表層からゆっくりと底面まで探るような仕掛けのため、魚のタナが分からない時や磯で水深が深い時に活躍する仕掛けとなる。
それに対して半遊動仕掛けはウキ止めを使い、ウキの遊動区間を決めていくので、狙うタナをある程度絞って探っていく仕掛けです。
概ね水深が10メートル以内のポイントでは半遊動仕掛けで狙っていくとやりやすくそれぐらいの水深を考えれば、堤防でのチヌ釣りに活躍する仕掛けと言える。
半遊動仕掛けのメリット・デメリット
チヌ釣りの基本は底釣りとマキエとの同調時間のため、深くても底面が狙え、タナを広く探れる全遊動仕掛けの方が適しているという人もいる。
しかし一概にも言い切れない。
全遊動仕掛けは、確かに攻撃ゾーンがウキを投入した地点からウキ下全部ということもあり、幅広く狙っていける仕掛けではある。
ただ比較的軽いオモリや水中ウキを使っていく仕掛けなので、仕掛けに適度な張りを作るのが難しく、仕掛けを沈めるのにも時間がかかるため手返しが遅れる要因になる。
全遊動仕掛けは海面から海底までの「縦」のエリアは深くさぐれるが、手返しが少なくなれば、海中の「横」のエリアはあまり探れない仕掛けと言えます。
仕掛け自体も軽いため糸絡み等のトラブルも起きやすく、あまり初心者向きとはいえない。
一方で狙える水深を10メートル以内に絞った半遊動仕掛けであれば、水深のあるポイントは狙えないかもしれないが、狙う範囲が狭いため仕掛けの沈下速度も気にならない。
マキエとの同調時間が短いというデメリットが浮かぶかもしれないが、私の場合は半遊動で狙っていく場合、マキエは底にとどめていき、サシエと同調させるというよりもチヌの足止め効果に使うという意識でまいていきます。
グレ釣りでマキエの同調を声高に上げる人がいますが、チヌ釣りではチヌが海底付近を遊泳しているという習性をうまくつき、半遊動では底にマキエをとどめて足止め。
そうした上で、とどまったマキエの上を仕掛けが通過していくといったやり方で十分に釣果が望める。
また半遊動仕掛けの最大のメリットは、「誘い」です。
よく仕掛けをウキ止めまで仕掛けたら、横方向に流し「横」を狙っていくとおもわれがちですが、半遊動仕掛けなら「誘い」で縦方向も狙っていけます。
仕掛けをわざと止めたり、引き戻して浮き上がらせ、また沈めていく。こういったジグザグの動きを加え誘いを演出し「縦」面を狙っていくこともできる。
具体的には、仕掛けの引き戻しには竿を大きくゆっくり持ち上げるようにしたり、ツケエを斜めに浮き上がらせチヌの食い気を誘いたい時には、ラインを直接手で持って仕掛けが流れるのを止めてやる。
メリット
・狙う水深が決まっているため糸絡みなどのトラブルが少ない
・堤防での仕掛けとして適している
・「誘い」の効果で縦横幅広く狙っていける
デメリット
・水深が深い場所では向かない
・マキエと直接同調している時間は短い
・幅広い層をゆっくり探るのには不向き
まとめ
半遊動仕掛けはチヌ釣りの仕掛けでは主流ともいえる仕掛けです。
基本を押さえておけば他の仕掛けにも応用が効きます。
狙うタナを意識し、マキエに対する考え方もしっかり身につけていくことができますね。
厳寒期の悪条件で釣り上げてるので参考になるかと思います。
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