チヌ(クロダイ)の生態からポイントをつかむ!!
知っていそうで意外と知らないチヌ(クロダイ)の生態。
アングラー達はチヌそのものよりも、チヌ釣りに惹かれて入ってくるため意外と知らないことが多い。後付で気づいたり教えてもらったりして、「ふ~んなるほどね。」といった感じで理解したりと。
少なくとも私はそうでした。
チヌの生態、体の構造を押さえることで、経験で分かっていたことが理論化されたりして、幅広く応用のきく知識として身についたりもするので、今回はこの生態から浮き出てくるチヌ(クロダイ)釣りのポイントを解説したいと思います。
チヌの尾ビレは小回りが利く!
チヌの体型はマグロやカツオ達のような細長い紡錘形ではなく、丸みをおびた体型をしている。
マグロは時速90kmで高速で回遊したりするが、チヌはどちらかと言うと小回りがきく構造をしており、持久力はないが瞬発力のある体型になっている。
また尾柄部が太いのも特徴で、力強い動きの泳ぎを得意としている。
普通、尾柄部がスラっとして細長く、尾ビレの後縁に深い切れ込みが入っているほどスピードが速いと言われているので、チヌの生態構造が全く逆の形をしていることがわかります。
このような体型から様々なポイントが浮かび上がります。
小回りのきく体型ということは、生息地が沈み根の隙間、海藻の間、ケーソンやテトラの継ぎ目など、複雑に入り組んでいるがチヌにとっては自分の体型の構造上、かなり泳ぎ安い絶好のポイントであるといえます。
スピード感はないが重量感のあるチヌの引きも、独特な太い尾柄部からくる力強い泳ぎによるものだと推測できますね。
チヌはバックできる!?
チヌの当たりで、モゾモゾとした分かりにくい微妙な当たりを経験している方も多いかもしれません。
これはいわゆるチヌが「居食い」をしている状態。その場を動かずにサシエだけをついばんでいる状態です。大物や厳寒期のチヌ釣りで多く見られたりします。
これも体の構造から得意の行動の一つで、チヌはグレなどと比べて胸ビレが大きく発達しているのが特徴。この大きい胸ビレを使ってその場にじっとしたり、バックしたりして留まりサシエだけを食べているのです。
ウキへの当たりが分かりにくい「居食い」が起こるのもチヌの生態構造からみたら十八番なわけです。
歯の構造から当たりエサも探れる
チヌの口はやや大きく、両顎前部に鋭い犬歯があるのが特徴。この犬歯を使ってエビやカニ、貝類などをむしり取る。
釣り上げたチヌの前歯を見れば捕食行動が推測でき、その場に生息するチヌの当たりエサをおおよそでシュミレーションすることもできる。
例えば、犬歯がボロボロにすり減っていれば固い甲殻類を食べている事や、犬歯が鋭く尖っていれば柔らかい海藻や虫類を食べている事が想像できる。
同じ釣り場に通い続ける場合は押さえておくと便利です。
警戒心が強い由縁
よくチヌは警戒心が強い魚と言われます。
これは延髄や側線が発達しているために聴覚に優れ、わずかな水流や水圧の変化を感じ取る事ができるので異変に気付きやすい生態を備えているからだと言われています。
特に側線はレーダーのような役割も担っていて、音源が50メートル以内であれば音を水の粒子移動として知覚することができると言われているため、警戒心が強い由縁だと想像できます。
「釣りをする時は音をたてるな」
というのもこういったところから来ているのかもしれませんね。
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